20代も後半に差しかかってくると、「今までなかったはずなのにうっすらとシミが…」なんてことがあるのではないでしょうか。
まだシミはないと安心していても、肌の奥にはシミ予備軍がある可能性も…。
できてしまったシミを消し、これ以上増やさないためには早めの対策が肝心です。
20代だからといって安心できないのです。

- ■この記事の監修者
- ■美容皮膚科医 木村なお先生
- 久留米大学医学部卒業。学生時代に自身もお肌トラブルに悩んだ時期があり、美容皮膚科で治療を受けたことがある。その経験を通して、外見のお悩みの解決が日々の幸福度を上げると実感し、美容医療に興味を持つようになった。現在は、美容皮膚科医として日々診療において美肌作りをサポートしている。
目次
まずはシミのタイプをチェック
私たちの顔を老けて見せるシミ。このシミには、大きく分けて4つの種類があります。
まずは、それぞれの特徴や原因を詳しくチェックしていきましょう。
老人性色素斑
シミの中でも代表的なものが、「老人性色素斑」と呼ばれるシミです。
このタイプのシミは、主に紫外線にあたることでメラニンが生成される、いわゆる光老化が原因で生まれます。
できやすい場所は、顔(特に頬の高い部分)や腕、手の甲など日光にあたりやすいパーツです。
「老人性色素斑」という名前のとおり、40代以降の人に多く見られますが、20代でも日光をよく浴びる人にはできることも。
色は茶褐色で円形〜楕円形のかたちをしており、肌とシミとの境界線がはっきりとしています。
そばかす
小さく細かい斑点が、頬や鼻の頭のあたりを中心に散らばるようにできるのが「そばかす」です。
遺伝によって起こり、3才〜思春期など若い人の肌にでき、年齢が上がるにつれて薄くなる傾向にあります。
欧米人(白人)の肌にできやすいそばかすですが、私たち日本人やアジア人の中でも色白の人に多く見られます。
なお、遺伝が原因であっても、紫外線によって斑点が濃くなることがわかっています。
炎症後色素沈着
ケガや火傷、ニキビなどが炎症となり、色素沈着となって残るのがこの「炎症後色素沈着」です。
ワキやビキニラインなどの黒ずみも、このタイプに分類されます。
年齢に関係なく発生する「炎症後色素沈着」は、通常ターンオーバーによって少しずつ薄くなりますが、老化や肌荒れによってターンオーバーが乱れると、治りが遅く色素沈着が深く肌に残ってしまいます。
また、老人性色素斑に比べて、シミと肌との境界線がぼやけているのが特徴です。
肝斑
そして、目の下〜頬骨のあたりを中心にできる濃い茶色のシミが「肝斑」です。
この肝斑は、境界線が不明瞭で、左右対称にできるという点が他のシミとの違いです。
30代以降〜更年期の女性に多く見られる「肝斑」。
20代だから関係ないと思われるかもしれませんが、主な原因は、女性ホルモンバランスの乱れによるものです。
若いうちから意識することが大切です。
また、女性ホルモンに影響のある、ピルの服用や妊娠によって悪化することがあります。
できてしまったシミを消すには?
自分の肌にあるシミの種類がわかったら、次は「すでにできてしまったシミを消す方法」を学びましょう。
まずは、セルフケアで消せるシミ・消すのが難しいシミに分けて、それぞれのシミにあった消す方法をチェックしていきます。
20代の早い段階から対処することで、年齢を重ねてもシミの少ない肌にしていきましょう。
セルフケアで消せるシミのタイプ
これらのシミの中には、セルフケアで改善できるタイプのシミもあります。
20代の若いうちにこそ、セルフケアの意識を持っておきましょう。
特に炎症後色素沈着は、これらのシミの中でも一番治りがはやく、セルフケアでも効果があると言えるでしょう。
基本的には、肌に蓄積されたメラニン色素を排出させること・新しいメラニン色素の生成を抑制させる方法があります。
肝斑もまた、市販で購入できるトラネキサム酸でのセルフケアが可能です。
肌の深層部まで到達している濃い老人性色素斑や、遺伝からなるそばかすはセルフケアでは治すことは難しいため、皮膚の専門家である美容クリニックでの治療をおすすめします。
ターンオーバーを促進させる
炎症後色素沈着や老人性色素斑には、肌のターンオーバーの乱れが大きく関連しています。
20代だからこそターンオーバーは意識したいところです。
これらのシミタイプは、炎症や紫外線によって肌の表皮層でメラニン色素が作られ、肌が褐色に色素沈着します。
通常、健康な肌ではターンオーバーによってシミのできた細胞が少しずつ上に押し出され、角質(垢)として剥がれ落ちるため、できたシミも時間経過によって薄くなります。
しかし、このターンオーバーが老化や肌荒れなどで乱れ遅くなると、なかなかシミが薄くならず肌にずっと残ってしまいます。
そこで、ターンオーバー促進成分が配合された化粧品でスキンケアしてあげることが大切です。
ターンオーバー促進効果のある成分として代表的なのが、パルミチン酸レチノール(ビタミンA誘導体)です。
他にも、プラセンタエキスやデクスパンテノールWといった成分が、肌の細胞の生まれ変わりを促しメラニンを外に排出させる効果を持っています。
シミに効く食べ物を取り入れる
すでにできてしまったシミには、身体の内側からのケアもとっても大切です。
「シミや美白にはビタミンC」と昔から言われていますが、まさにビタミンCはシミケアにとってのヒーロー。
抗酸化作用によって、メラニン生成を抑制したり、シミを薄くしたりしてくれます。
ビタミンCは、レモンやキウイフルーツ、イチゴなどの果物や、ピーマンやゴーヤなどの野菜からたくさん摂ることができます。
油溶性のビタミンAやEとは違い、水溶性のビタミンCは多く摂取してもあまり健康に影響がないので、積極的に摂っていきましょう。
肌のターンオーバーを促進する効果を持っているアミノ酸の一種であるL-システインもまた、ビタミンCとあわせて摂取するのがおすすめです。
L-システインは、メチオニンという物質をもとに体内でつくられる成分です。
メチオニンを含むチーズや大豆・納豆・豚肉・鶏肉などを食べるか、L-システインのサプリメントもおすすめです。
楽しいからといって、好きなものだけしか摂り入れない20代の暴飲暴食は控えるべきことです。
ホルモンバランスを整える(肝斑)
更年期の女性の肌を中心にできる肝斑。
そのケアは、ホルモンバランスを整えることです。
肝斑の原因となるホルモンは、エストロゲンやプロゲステロンという女性ホルモンです。
エストロゲンは卵胞ホルモンとも呼ばれ、月経から排卵の間に分泌され、プロゲステロンは黄体ホルモンといい排卵後から月経前の期間に分泌されます。
これらのバランスが崩れると、生理の乱れや不正出血・PMSなどの症状や、体調不良・肌荒れなどが起こります。
この女性ホルモンのバランスは、生活習慣の乱れやストレスなどが原因で崩れます。
食事・睡眠・運動のバランスを整えること、そしてストレスを内にため込まないことが大切です。
人に話を聞いてもらったり日記を書いたりするなど、自分なりのストレス発散方法を見つけておくといいでしょう。
シミを増やしたくない!対策方法とは
できてしまったシミだけではなく、これ以上シミを増やさないことも大切ですよね。
シミの予防には紫外線対策と、生活習慣の見直しによるターンオーバーの正常化がポイントです。
詳しい対策について、ご紹介していきます。
紫外線対策
シミを増やさないための一番の方法は紫外線対策です。
アウトドアや海に遊びに行くとき、しっかりと紫外線対策をしていますか?
20代だからといって、何もしないで遊ぶというのはNGです。
光老化が原因である老人性色素斑だけではなく、どのタイプのシミにとっても紫外線は大敵。
日焼け止めやアームカバー、帽子などで、毎日必ず紫外線対策を行いましょう。
特に見逃しがちなのが、室内での紫外線対策です。
紫外線のうち、肌の奥深くの真皮層まで届くUV-A波は、雲や窓ガラスも通り抜けるため、室内にいても肌にダメージを与えます。
在宅ワークなどで一日自宅にいる日でも、日焼け止めは必ず塗るくせをつけましょう。
UVカット効果の数値は、SPF20〜30・PA++〜+++程度のものが、肌に負担なくおすすめです。
生活習慣を見直す
紫外線対策をしっかりとしていても、シミは完全には防ぎ切れません。
そこで大切なのは、シミをいかに蓄積させずに皮膚の外へ排出するかです。
そのためには、ターンオーバーを正常化させる必要があります。
ターンオーバーが乱れる原因には、不規則な生活習慣があります。
シミの予防には生活習慣を見直し、整えることがとても大切なのです。
まずは、食事、睡眠、運動といった基本的なことがバランスよくできているか、チェックしましょう。
深い飲酒や喫煙、ストレスをため込むことなどもまた、ターンオーバーを遅らせる原因となるので、20代の今からできる限り減らすことを心がけましょう。
美容医療でシミ取りも楽々
できてしまったガンコなシミには、美容医療がおすすめです。
特に、そばかすや老人性色素斑は自身でのセルフケアが難しいため、専門家にお任せした方が適切な治療ができるでしょう。
セルフケアのできる肝斑や炎症後色素沈着もまた、薄くなるまでに長い期間(年単位)がかかります。
美容医療であれば、短期間で薄く改善することも可能です。
美容医療と聞くと、お金の心配をされる方が多いのではないでしょうか。
たしかに、市販の化粧品や医薬品でのセルフケアの方が安上がりに感じますが、美容医療に比べて何倍もの期間がかかることを考えると、トータルコストは高くついてしまいます。
また、美容医療の中でも、フォトフェイシャルならリーズナブルに施術を受けることができますよ。
フォトフェイシャルの中でもおすすめなのが、フォトフェイシャルの進化版である「P-フェイシャル」です。
「P-フェイシャル」は、特殊な光「CIPL」を使った治療法で、従来肝斑の治療に有害とされていた紫外線の波長範囲をカットしています。
施術後のダウンタイムも不要で、当日からメイクをすることができるのも嬉しいですね。
シミを消すだけでなく、真皮層のコラーゲン・エラスチンを生み出す働きを助ける効果も持っています。
まとめ
老け顔に見える大きな要因のひとつであるシミ。
シミ対策は、とにかく早めに始めることが重要です。
ご紹介した、できてしまったシミを消す方法、これ以上シミを増やさない方法は、すぐにでも取り入れられるものが多いです。
まずは、自身のシミがどのタイプに当てはまるのかを見極め、適した対策を行なっていきましょう。
ガンコなシミの治療は、セルフケアでは限界があります。
セルフケアでなかなか治らない・治りそうにない場合、専門家の美容医療を受診してみてはいかがでしょうか。