顔にシミを見つけると、ふと年齢を感じ、鏡を見るたび憂鬱になったりしますよね。
もっと早くシミ対策をしておけばよかったと後悔したりすることも。
確かにシミ対策は早ければ早いほど良いですが、30代の今からでも遅くありません。
今あるシミの改善と予防のためにシミ対策を行い、いつまでも透明感のあるお肌へと導いていきましょう。

- ■この記事の監修者
- ■美容皮膚科医 木村なお先生
- 久留米大学医学部卒業。学生時代に自身もお肌トラブルに悩んだ時期があり、美容皮膚科で治療を受けたことがある。その経験を通して、外見のお悩みの解決が日々の幸福度を上げると実感し、美容医療に興味を持つようになった。現在は、美容皮膚科医として日々診療において美肌作りをサポートしている。
目次
30代に多いシミのタイプ
「シミ」と言っても、実は年代によってできやすいシミの種類が異なるのはご存じでしょうか?
30代に多いシミのタイプは「老人性色素斑」と「肝斑(かんぱん)」の主に2種類です。
シミ対策の方法の前に、これらのシミにはどのような特徴や原因があるのかチェックしていきます。
老人性色素斑
「老人性色素斑」はシミの中で最も多いタイプ。
日光性黒子(にっこうせいこくし)とも呼ばれ、長年浴び続けてきた紫外線の蓄積が主な原因です。
紫外線を受けると「メラニン」という黒い色素が生成されます。
本来、メラニンは、肌のターンオーバーによって排出されるものなのですが、紫外線や加齢によって過剰にメラニンが生成されると排出が追い付かなくなって蓄積してしまうのです。
すると蓄積したメラニンが色素沈着してシミとして現れてしまいます。
大きさは様々ですが、円形や楕円形に近い形で境界がはっきりとしており、薄茶色や茶色をしているのが特徴です。
肝斑
肝斑(かんぱん)は、女性ホルモンのバランスの乱れが原因となって起こるシミです。
左右対称にほぼ同じ形、同じ大きさで現れるのが肝斑の大きな特徴。
特に頬骨の高い位置に現れ、輪郭がはっきりしない薄茶色のシミです。
額や口の周辺にもできることがあります。
女性ホルモンバランスが乱れがちになる30代後半から50代の女性にできやすいタイプとされています。
この年代に限らず、妊娠中やピルの使用によるホルモンバランスの変化で発生する場合もあります。
年代を問わずできるシミのタイプ
30代でも、シミが老人性色素斑や肝斑ではない可能性も考えられます。
シミの種類は意外と多く、「炎症後色素沈着」と「そばかす」といった年代を問わずにできるタイプもあります。
これらのタイプはどんな特徴や原因があるのかチェックしておきましょう。
炎症後色素沈着
「炎症後色素沈着」はニキビや湿疹、かぶれ、虫刺されなどによる炎症の跡が茶色く色素沈着を起こしたシミです。
黄色人種の日本人は黒色メラニンが多いので、この炎症後色素沈着が目立ちやすいと言われています。
炎症後色素沈着は時間とともに消えることが多いシミですが、消えるまでに数年かかることもあります。
そばかす
「そばかす」は雀卵斑(じゃくらんはん)とも呼ばれるシミで、遺伝的な要因で発生すると言われています。
顔に細かい茶色の斑点が広がるのが特徴です。
白人に多く見られるタイプで、日本人でも色白の人にできやすい傾向があります。
幼児期からでき始めることが多く、成長とともに増え、思春期に濃くなります。
それ以降は個人差がありますが徐々に薄くなります。
肌の老化の原因の8割が紫外線
30代になるとシミだけでなく、たるみやシワといった老化現象が徐々に気になり始めます。
肌老化の主な要因は「加齢」と紫外線ダメージの蓄積による「光老化」の2種類です。
しかし、その2つの要因が肌の老化にどのくらい影響しているのかというと、加齢が約2割、紫外線による「光老化」がなんと8割も占めているのです。
紫外線はシミやくすみの原因になるだけでなく、ハリや弾力を保つ真皮層や皮膚の土台である皮下組織にダメージが蓄積され、シワやたるみなど老化現象を引き起こします。
紫外線による肌へのダメージは、肌老化を加速させてしまう大きな原因となっているのです。
シミ対策はまず紫外線対策から
シミ対策をするなら、まずは「紫外線対策」を習慣にしましょう。
「ちょっとなら平気」と油断して、ほんの数分間、紫外線を浴びただけでもお肌はダメージを受けます。
これが積み重なっていくと数年後、数十年後にシミとして現れてしまうのです。
そのため、季節を問わずいつでも日焼け止めなどを活用して紫外線対策を行うことが重要です。
- 主な紫外線対策のポイント
- ・日焼け止めを使う
- ・日傘や帽子、サングラスを活用する
- ・衣服で覆う
- ・紫外線の強い時間帯を避ける
- ・曇りの日や室内でも紫外線に注意をする
1年の中でも冬は紫外線量が少ないと言われていますが、日焼け止めは毎日のケアで取り入れて徹底的にお肌を守りましょう。
30代におすすめの日焼け止め
30代の私たちの肌に合わせて日焼け止めを選ぶなら、保湿力のあるタイプや肌のトーンアップで仕上がりを美しく見せるというのも外せないポイントです。
日焼け止めに美容成分や保湿成分が配合されているか、またミルクタイプやジェルタイプ、クリームタイプのように保湿力のあるテクスチャのもの選ぶのもおすすめです。
化粧水や乳液と同じように、着け心地なども含めて自分の肌に合う日焼け止めを選びましょう。
また、室内で過ごす日や曇りの日には、雲や窓も浸透してくる紫外線UV-Aにも注意しましょう。
その場合、PAの「+」の数が多いものを使用した方がより安心です。
基礎化粧品でシミ対策
日焼け止めでの紫外線対策の他には、シミの有効成分が配合されている化粧水・乳液・美容液といった基礎化粧品を取り入れて、美白ケアをしていくことが大切です。
では、シミに有効な成分とはどのようなものがあるのでしょうか。
シミの有効成分
主なシミに効果が期待できる美白有効成分はこちらです。
- ビタミンC誘導体
- メラニンの発生を抑制してシミを予防し、メラニンの還元・排出で今あるシミを薄くする効果が期待できます。
- アルブチン
- メラニンの生成を抑制し、シミ・そばかすを予防します。
- トラネキサム酸
- メラニンの生成を抑制し、シミ・そばかすを予防する効果がある他、スキンケアでは改善が難しいと言われる「肝斑」にも効果的です。
- コウジ酸
- 麹(こうじ)から発見された「コウジ酸」は、メラニンを生成するチロシナーゼに働きかけシミ予防・くすみのケアに効果的な美白有効成分です。
- エラグ酸
- ポリフェノールの一種で、チロシナーゼの活性を阻害し、メラニンの生成を抑える効果があります。
- カモミラET
- 「カモミラET」は、カミツレの花が原料である天然植物由来の美白有効成分で、メラニンの生成を抑制する効果があります。
その他、保湿・抗炎症・血行促進などさまざまな効果があります。
美白有効成分 | 成分表示例 |
ビタミンC誘導体 | ・リン酸アスコルビルMg ・アスコルビン酸 ・アスコルビン酸グルコシド など |
アルブチン ・アルブチン | ・β-アルブチン ・α-アルブチン など |
トラネキサム酸 ・トラネキサム酸 | ・m-トラネキサム酸 ・t-AMCHA など |
カモミラET | ・カモミラET など |
コウジ酸 | ・コウジ酸 |
エラグ酸 | ・エラグ酸 |
30代におすすめの化粧水・乳液・美容液
20代後半から30代のスキンケアでは、皮脂量はほとんど変わりませんが、水分量が減少しやすくなるので、水分を補うことも重要です。
肌が乾燥するとバリア機能が低下し、紫外線や花粉、ほこりなどの外的刺激を受けやすくなります。
シミだけでなく、シワやたるみ、吹き出物など肌トラブルの引き金となるので、しっかりと保湿をすることでエイジングケアにつながります。
30代のシミ対策では、美白有効成分に加えて、高保湿成分が配合されているものを使用するのがおすすめです。
- 【高保湿成分】
- ・セラミド
- ・ヒアルロン酸
- ・レシチン
- ・スクワラン など
保湿成分は複数の種類が配合されていると、より高い保湿力が期待できます。
30代は美容医療の始めどき
30代になるとシミだけでなく、シワやたるみなども気になり始める頃でもあります。
肌のトラブルが深刻になる前に、セルフケアをしながら美容医療を受けて改善するのも方法の1つです。
美容医療では、シミやくすみなどを改善し、肌の透明感を得ることができるシミ治療の「フォトフェイシャル」や、シワやたるみの改善を目的とした切らないリフトアップと言われる「HIFU(ハイフ)」が施術時間も短く、ダウンタイムも少ない治療として人気を集めています。
また、美白やリフトアップなど1つの効果だけでなく、線維芽細胞の働きも活性化させるため、お肌を土台から元気にして、キメが整ったハリのある素肌へと導いてくれます。
エイジングケアは、症状が深刻になる前に受ける方が効果は出やすいので、さまざまな悩みが現れ始める30代は、美容医療の始めどきと言えるでしょう。
まとめ
これまで長年受けてきた紫外線やホルモンバランスなどによって起こる顔のシミ。
透明感のある素肌を目指すなら、30代からはしっかりとシミ対策を行っていきたいですね。
毎日の紫外線対策や美白ケアが数年後、数十年後のお肌を変えます。
シミができる前の予防もできてからのアフターケアもしっかりとおこなっていきましょう。