老け見えしてしまう顔のたるみ。
特に頬は気になるところです。
できるならば、たるみを避けたいところですよね。
しかし、コロナ禍の今、マスク生活が続いて、顔のたるみに悩む女性は急増中。
「加齢」がたるみの原因の一つであることは間違いありませんが、実はその他にも日頃の生活習慣が顔のたるみに大きく関係していたのです。
そこで、たるみの原因を知り、効果的な改善方法で美しく顔を引き締めて若返りましょう。

- ■この記事の監修者
- ■美容皮膚科医 木村なお先生
- 久留米大学医学部卒業。学生時代に自身もお肌トラブルに悩んだ時期があり、美容皮膚科で治療を受けたことがある。その経験を通して、外見のお悩みの解決が日々の幸福度を上げると実感し、美容医療に興味を持つようになった。現在は、美容皮膚科医として日々診療において美肌作りをサポートしている。
目次
顔がたるむってどんな状態?今すぐセルフ診断しよう
そもそも顔がたるむってどのような状態をいうのでしょうか。
たるみを改善したい方も予防したい方も、自分の顔にどのような変化が起こっているのか今すぐセルフ診断してみましょう。
顔全体のたるみは、手鏡でチェックすることができます。
- 手鏡を持って正面から見る(現在の自分の顔)
- 手鏡を持ったまま真上を向きます。
- 手鏡を持ったまま真下を向きます。
真上を向いたとき、少し若返った状態に見えませんか?
逆に真下を向いたときに映った顔は5年後の状態があらわれると言われています。
顔全体のハリ・弾力がなくなり、たるみが進行している人ほど手鏡で見たときに顔の変化が見られます。
スマホで撮影してそれぞれを見比べるのもおすすめです。
老けて見える!顔のたるみをパーツ別にチェック
次に老けて見える顔のたるみをパーツ別に確認していきましょう。
顔の中でも頬がたるみの起きやすいパーツですが、細かく見ていくと実はさまざまな所でたるみが生じてしまうのです。
そこで、パーツごとにたるみが起こった時の見え方、特徴などについて紹介していきます。
顔の中でもいち早く老化が現れやすい目元からチェックしていきましょう。
上まぶた
上まぶたのたるみは、ほうれい線やシワとは違ってラインが刻まれることがないので、たるみを自覚したときにはかなり進行してしまっていたという場合も。
- 二重幅があいまいになる
- 目元が疲れて見える
- 目が小さくなったと感じる
これらに当てはまる場合は、上まぶたにたるみが起こっているかもしれません。
上まぶたが垂れ下がることによって、60代と20代の目の開き方を比較すると約3割狭くなると言われています。
しかも、上まぶたがたるんでくるとおでこのシワが増えるということも研究で分かっています。
放っておきたくないたるみですね!
※資生堂の研究結果(2010年)
※https://corp.shiseido.com/jp/releimg/1919-j.pdf
目の下
目の下の脂肪はもともと体質的に多い人と少ない人がいて、多い人は、たるみやクマができやすい傾向があります。
たるみが起こるとふくらみの部分で影を作り、くまができるため、お疲れ顔、どんより顔と不健康に見えてしまいます。
- 目の下がたるんできた
- 目の下の袋が目立つ
という症状を感じたら、目の下がたるんできたサインかもしれません。
目の下のたるみがあると5歳から10歳も見た目年齢に差が生じてしまいます。
頰
顔の中でも特に頬はたるみが発生しやすいパーツです。
頬の1番高いところは、年齢とともに位置が下や横に流れやすくなります。
高さが下がってきて横に広がり、たるみが進行するとほうれい線が深くなる場合もあります。
- 頬の位置が下がり気味になってきた
- ほうれい線が目立ってきた
- 頬、鼻の横の毛穴が縦長に伸びて開いている
という症状を感じたら、頬にたるみが生じているサインかもしれません。
たるみが進行すると顔全体が疲れて見えるだけでなく、ほうれい線が1本あるだけで、見た目年齢を引き上げてしまいます。
30~40代になると、頬のたるみ毛穴も目立ち始めるので、早めに対策をして深刻になるのを防ぎたいですね。
フェイスライン
フェイスラインは、年代別に特徴が出てきます。
20代はV型、30代半ば以降はU型、50代以降はスクエア型に変化すると言われています。
また、フェイスラインにたるみが起こると、顔が太って見えたり、老けた印象になったりしてしまいます。
- フェイスラインがぼやけてきた
- あごの下がたるんできている
- 輪郭がもたついている
という場合は、フェイスラインにたるみが生じているかもしれません。
10年前などの写真と現在の自分を比較して、顔の印象をじっくり見てみましょう。
できるだけ正面から写っていて、証明写真など表情が無いものの方がフェイスラインの変化が分かりやすいですよ。
口元
マスクで口元を隠していると若々しく見えるのに、外すと一気に老けて見えると感じたことはありませんか?
実は、若々しいか、老けて見えるのかの分かれ道にもなっているのが口元です。
- 口元がもたついてきた
- 口元に小じわが目立ってきた
- 鼻の横から口角にかけてシワが目立ってきた(ほうれい線)
- 口角から下にシワができた(マリオネット線)
これらの症状が見られる場合は、口元にたるみが生じているサインかもしれません。
口元のたるみは、一気に老けた印象に見えてしまいますし、口角が下がることで不機嫌な表情に見えてしまうことも…。
口角がキュッと上がった幸せ顔を目指したいですね。
顔がたるむ原因は?
頬はもちろんのこと顔のどのパーツでもたるみが起こることで、実年齢よりも老けた印象になってしまいます。
では、これらのたるみはどのようなことが原因となっているのでしょうか。
たるみの原因は大きく分けて3つあげられます。
- 【たるみの原因】
-
- 筋力の衰え
- 肌弾力の低下
- 代謝の低下
これらの原因について詳しくみていきましょう。
筋肉のおとろえや表情の癖
顔の筋肉の衰えや表情の癖がたるみの原因になります。
筋力は30代になると徐々に衰えていくのですが、顔の筋肉「表情筋」も同じように衰えていき、表面の皮膚を支えきれなくなり、顔のたるみにつながります。
また、普段何気なくやっている表情の癖も、顔のたるみを作っています。
例えば、目を思い切り見開く時にはまぶたを大きく動かせば良いはずです。
しかし、多くの人がまぶたを動かすだけでなく、おでこにシワを寄せて目を見開いてしまう癖があります。
使わなくてよい筋肉を無駄に使ってしまっているのです。
この時、まぶたを上げる力はお休み状態に。
使うべき筋力が使われず衰えてしまうのです。
デスクワークやスマホ操作で無表情な時間が長くなることでも衰えてしまいます。
また、今のマスク生活も無表情になりがちです。
頬を動かさない無表情には要注意です。
お肌の乾燥
お肌の乾燥も顔のたるみの原因の一つであり、ほうれい線の原因にもなります。
秋冬は湿度の低下で肌が乾燥しやすいシーズンになります。
肌の水分量が不足するとターンオーバーが乱れ、バリア機能が低下します。
また、乾燥は水分不足だけでなく、紫外線によっても起こります。
紫外線(UV-A)が真皮にまで到達すると、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった肌のハリ弾力に欠かせない、組織にダメージを与え、乾燥を引き起こす要因になります。
乾燥すると肌が適切な水分量を保持することができず、表面的なハリ感が失われていきます。
その結果、たるみやシワができやすくなるのです。
肩こり
常に頭や腕を支える肩や首には、大きな負担がかかっています。
この負担によって筋肉が硬くなり肩こりが生じると顔のたるみにつながるのです。
肩こりや首のこりによって身体の血行が滞ると、老廃物や不要な水分が排出されにくくなり、顔にむくみが生じます。
慢性化するとむくみが下垂して、肌のハリが失われ次第に顔がたるんできてしまうのです。
また、顔の筋肉が硬くなった肩こりの筋肉に引っ張られ、頬などにたるみが生じてしまいます。
肩こりは、顔のたるみを引き起こしますので、肩こり解消に努めていきましょう。
偏った栄養バランス
日頃から偏った栄養バランスの食生活を送っていることも顔のたるみの原因に。
皮膚は食事からも作られています。
たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養が偏ると、肌に必要な栄養素が行き渡らなくなり、肌の新陳代謝が滞ることでたるみを引き起こしてしまいます。
また、たるみの原因には「糖化」もあげられます。
糖化とは、体内にある糖とたんぱく質が結びつき、肌の老化を促進させてしまう現象です。
お菓子や甘いものを摂りすぎもたるみにもつながってしまうので、糖の摂り過ぎには注意が必要です。
睡眠不足
顔のたるみの原因として、間接的にではありますが、睡眠不足もあげられます。
人の体は睡眠を取ることで成長ホルモンが分泌され、細胞の再生や新陳代謝を促し健やかな体とお肌を維持するものです。
しかし、睡眠不足や睡眠の質が悪いと成長ホルモンの分泌が減り、自律神経や肌のターンオーバーが乱れ、表情筋の衰えやコラーゲンの減少を早めてしまいます。
その結果、顔のたるみにつながり、脂肪がつきやすい体になってしまうのです。
顔のたるみを改善する方法とは?
顔のたるみについて、さまざまな原因を述べてきましたが、日頃の生活で「あれが良くなかったのかしら」と思い当たることが1つくらいはあったのではないでしょうか?
では、気になる顔のたるみを改善するにはどのような方法があるのでしょうか。
一緒にチェックしていきましょう。
紫外線ケア
顔のたるみを予防・改善するためには、紫外線ケアが必須です。
たるみなど肌老化の原因の約80%は、紫外線ダメージによる「光老化」と言われています。
加齢による自然老化とは全く異なるもので、長年浴び続けた紫外線によるダメージの蓄積で現れる症状です。
紫外線は、肌の表面だけでなく、お肌のハリ・弾力の鍵となる「真皮層」にまで到達し、ダメージを与えます。
結果、ダメージを受けた真皮層の線維芽細胞では、コラーゲンの産生が低下し、コラーゲン量が減少してしまうのです。
特に真皮にまで到達するUV-Aは、曇りの日でも、窓ガラスでも透過するため、日中の紫外線対策は年中欠かせません。
紫外線の強い夏だけでなく、1年を通して日焼け止めなどを活用し、紫外線対策を行っていきましょう。
保湿ケア
乾燥による顔のたるみを予防・改善するなら、肌をみずみずしく保つための保湿ケアを行うことが大切です。
スキンケアアイテムを選ぶ際には、保水・保湿をしっかりと行えるものを選ぶのがおすすめです。
ハリを与えるたるみに特化したものを選ぶのもよいでしょう。
その上で、たるみ肌には、高保湿成分の「ヒアルロン酸」や「コラーゲン」にも注目し、この2つの成分が配合されたスキンケアアイテムを選ぶとより効果的です。
毎日のスキンケアでしっかりと保湿を行っていきましょう。
生活習慣の改善
顔のたるみには、日頃の生活習慣が大きく関係しています。
栄養バランスは、健やかな体作りに必要なタンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルの五大栄養素をバランス良く摂ることが基本です。
とは言え、毎食バランスよく栄養を摂ることが難しい場合もあります。
次の食事や翌日に調整するように意識をしたり、サプリメントでサポートしたりするのも良いでしょう。
また、睡眠ではしっかりと睡眠時間を確保することはもちろん、質の高い睡眠であることも大切です。
- 入浴して体を温める
- 部屋の電気を暗くする
- 寝る前にスマホやパソコンを使わない
など睡眠の質を高める工夫もしてみましょう。
食事、睡眠、運動など生活習慣を見直すことで、たるみの予防・改善だけでなく、健康的な美肌へと近づくことができるでしょう。
エクササイズ
顔のエクササイズをするのもおすすめ。
衰えた表情筋や使われていない筋肉を鍛え、引き締めることで顔のたるみを改善することができます。
また、ほうれい線予防にも顔のエクササイズはしておきたいですね。
表情筋トレーニングだけでなく、マッサージで血行促進なども併せて行うとより効果的です。
顔をシュッと引き締めたい!今日からできる筋トレに挑戦
頬を中心として、顔をシュッと引き締める効果がある顔の筋トレを取り入れ、たるみを改善していきましょう。
はじめはうまく顔の筋肉が動かせないものですが、毎日続けることでできるようになってきます。
また、これから紹介する筋トレ・エクササイズは、数分でできる簡単なものです。
スキマ時間などに気軽に挑戦してみてください!
マッサージでコリほぐし
まず、顔の筋肉を鍛える前に、コリをほぐしておくことで引き締め効果がアップします。
「モダイオラス」と「側頭筋」をほぐすのがポイント!
モダイオラスとは顔の筋肉が集まるところ。
口の内側、左右の口角より少し上あたりにある小さなふくらみです。
口の中に親指を入れて、頬を挟んで揺らしてマッサージをすると顔の筋肉を効率よくほぐすことができます。
食いしばり癖や噛み合わせが悪いと頭皮の筋肉が硬くなり、つながっている顔の筋肉もこわばってしまいます。
そこで、手の平を広げて頭を両脇からつかみ、頭の横の側頭筋をほぐしてコリをほぐしましょう。
舌回しエクササイズ
口を閉じたまま、頬を内側から押すように舌を回します。
ポイントは、できるだけ大きく舌を回し、左右満遍なく行うことです。
右回り、左回りを各10周ずつ行いましょう。
しっかり回していると口周りの筋肉に効いてくるのが実感できます。
マスクをしている今こそ、思い立ったときにできて鍛えることができますね!
割りばしエクササイズ
割りばしエクササイズでは「大頬骨筋」を鍛え、頬のたるみを引き上げる効果が期待できます。
方法は、割りばしを横にくわえて口角を上げるだけ。
1セット30秒から1分間を目安に、1日3回行いましょう。
また、ただ口角を上げるだけでなく、頬全体も一緒に引き上げるのが効果的に鍛えるポイントになります。
顔の筋トレは、鍛える筋肉を意識すると集中的に動かすことができて、効果をより高めることができます。
おすすめ!顔のたるみに効果抜群のスペシャルケア
顔のたるみをセルフケアで改善していく方法はありますが、効果を得るためには、毎日の継続したケアが必要なので、どうしても時間がかかってしまいます。
早い効果を求めるなら、美容医療でケアをするのも方法のひとつです。
顔のたるみに効果抜群なスペシャルケアを紹介します。
レーザー治療
お肌のたるみは「レーザー治療」でも改善することができます。
レーザー治療では、皮膚の表面だけでなく、表皮の下にある真皮層(コラーゲンやエラスチンなどがある層)に作用させる必要があります。
そこで、特殊な波長の長いレーザーで、安全に真皮層中層付近に熱エネルギーを与え、皮膚内部の線維芽細胞を刺激することで、コラーゲンの増成を促します。
これらのレーザー照射によって、真皮のコラーゲンに熱変性を起こさせると皮膚に収縮が起こり、たるみやシワ、毛穴の開きなどを改善することができます。
レーザー照射後には一時的な赤みが出ますが、2、3日で落ち着きます。
ダウンタイムも短く、痛みや火傷のリスクが低い安全性の高い治療なので、安心して受けることができます。
費用もケアを続けやすいので、初めてのたるみ治療にもおすすめです。
リフトアップ
美容医療で受けられるたるみ改善の「リフトアップ」。
メスを使わずに顔のたるみをすぐに改善したい!という方におすすめの方法です。
たるみを改善するための治療というと、メスを使った手術をイメージしますが、最近ではメスを使わず、特殊な糸を用いたリフトアップも主流になっています。
お肌に高周波(ラジオ波)を照射し、毛羽立った吸収性の高い溶ける糸を皮下組織に挿入して行う施術です。
糸でお肌を本来の位置に戻すことで、たるみやフェイスラインのもたつきを改善することができます。
肌内部では、コラーゲンの産生が促進と血流改善をすることができ、お肌の根本から改善するため、ハリやうるおいだけでなく、シミやたるみ予防にも効果的です。
挿入した糸は約8か月から1年かけて溶けるので、効果は1年から1年半程度。
メスを使わないためダウンタイムもなく、施術直後からメイクもできるのもうれしいポイントです。
まとめ
顔のたるみの原因と改善方法はいかがでしたか?
加齢も原因の一つですが、乾燥や表情筋の衰え、日頃の生活習慣によって顔のたるみを引き起こしていました。
顔のたるみの改善方法として、
- 保湿ケア
- 生活習慣の見直し
- 顔の筋肉を鍛えるエクササイズ
これらの方法で、たるみケアを毎日コツコツ続け、頬がシュッと引き締まったお肌へと美しく若返っていきましょう。