コンシーラーを使ってもなかなか隠れない目の下のクマ。
目の下にクマがあるとどうしても顔色が悪く見えてしまい、ついつい厚化粧になってしまう方も少なくありません。
できればナチュラルメイクでも若々しい目元でいられるとうれしいですよね。
この記事では、あなたの目の下のクマタイプを探りながら、タイプごとの原因と対策をご紹介します。

- この記事の監修者
- 西田恭之 恵比寿美容クリニック副院長
- 東海大学医学部医学科卒業。都内市中病院で初期研修後、消化器内科診療に従事。その後は人間ドックでの診療を続けながら恵比寿美容クリニックにて勤務し、現在は副院長として診療に従事。
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目次
目元を診断!クマのタイプの見分け方
- 茶クマ:引っ張ったり上を向いたりしてもクマに変化がない
- 青クマ:日によってクマの濃さが異なる、引っ張ると少し薄くなる
- 黒クマ:年齢を重ねるごとに気になる、上を向いて見ると薄くなる
3タイプのなかから、あなたが当てはまるクマをチェックしてみましょう。
茶クマは正面から見たときや上を向いて見たときに変化がなく、引っ張っても薄くなることはありません。
青クマはその日の体調によって左右されやすく、引っ張ると少し薄くなるので比較的見分けのつくクマといえます。
黒クマは30代以降に歳を重ねていくと、気になりやすいクマのタイプです。
目のくぼみや皮膚のたるみによってできる影が原因で黒っぽく見えるので、上を向いて見ると薄くなります。
茶クマの原因は色素沈着
茶クマができる原因は、メラニンによる色素沈着です。
色素沈着は、皮膚に炎症が起こりメラニンが生成されて茶色くなったもの。
アトピー性皮膚炎や日焼けによる炎症も原因のひとつであり、茶クマを引き起こす場合も。
さらにゴシゴシと擦る刺激も色素沈着を引き起こすので、以下に当てはまる方は茶クマになりやすいといえます。
- メイクオフするときに目元を擦って落としている
- 花粉症の影響で目がかゆくなりやすい
茶クマを解消するには、炎症を起こさずに擦る刺激を抑える必要があります。
茶クマは保湿・美白ケアで解消!
茶クマの方は、目の周りにメラニンの生成が起こりやすい状態なので、メラニンの生成を抑える美白ケアが大切です。
また擦りすぎにより、皮膚の角質が固くなっていることも考えられます。
ターンオーバーを正常にするための十分な保湿もキーポイントです。
美白ケアと保湿の2つについて、茶クマを改善するスキンケアのポイントをご紹介します。
ビタミンCやヒアルロン酸で保湿しよう
保湿効果の高い成分である「ビタミンC」や「ヒアルロン酸」が配合されているスキンケアアイテムを使いましょう。
美肌を維持するうえで欠かせない成分と言えば「ビタミンC」。
また、ビタミンCは、シミやそばかすなどの元となるメラニン色素の生成をセーブするという働きがあります。
さらに、肌の弾力やツヤを維持するうえで欠かせない、コラーゲンの生成を促すという大切な働きもあります。
また、ヒアルロン酸は元々体内にある成分であり、角層よりも内側の真皮に多く存在しています。
角層内の保湿として働いてくれるので、肌をみずみずしく保ってくれる成分。
乾燥しやすい冬の時期でも水分を抱え込んだまま作用し、外部環境に影響されないことが特徴です。
またヒアルロン酸のほかに「スクワラン」や「セラミド」も代表的な保湿成分として知られています。
スクワランは皮脂膜の成分に似ていて、肌に与えた水分が蒸発しないようにフタをする役割のある油分です。
セラミドは水分保持力が高い成分であり、多くのスキンケアアイテムに使われています。
保湿成分と油分がバランスよく配合された化粧品を使うと、より早く茶クマが改善しますよ。
色素沈着は美白ケアで撃退!
美白ケアとして見逃せない成分がビタミンCです。
- メラニンの還元作用
- コラーゲンの生成を促す
- 抗酸化作用
上記のようにビタミンCにはさまざまな働きがあり、美白やアンチエイジングに効果があります。
メラニンの還元作用とは、摩擦や炎症による刺激から作られたメラニンをより薄い色素に変化させる作用のこと。
茶クマの原因である色素沈着ができにくくなるだけではなく、既にできてしまった色素沈着を薄くしてくれる働きがあるのです。
ビタミンCが含まれている化粧水や美容液はもちろん、茶クマの集中ケアとしてアイクリームを取り入れるのもおすすめですよ。
青クマの原因は血行不良
皮膚を引っ張ると薄くなる青クマは、血行不良が原因です。
体調不調や寝不足、冷えなどにより目の周りにある毛細血管の血液が滞ることで、目の下の皮膚から内側の血管が透け、青クマとして浮き出てきます。
以下に当てはまる方は青クマができやすいのでチェックしてみましょう。
・デスクワークを長時間している
・運動をする習慣がない
・冷え性に悩んでいる
これらに当てはまる方は血行不良になっている可能性が高く、青クマができる可能性が高いです。
まずは生活習慣の見直しから始めてみましょう。
また血行不良だけではなく、目の下の皮膚が薄くなることで血管が透けて見えやすい方もいます。
この場合は血行を促すマッサージやホットアイマスクだけではなく、目元の血行不良を改善しながらハリをアップさせる、アイクリームも平行して使ってください。
青クマはマッサージで血行不良を改善!
青クマの原因は目の周りの血行不良なので、血液の巡りをよくするマッサージや顔ヨガが効果的です。
具体的におすすめのマッサージを2種類ご紹介します。
特に青クマが目立ちやすくなる朝や、目の疲れを感じたときにチャレンジしてみましょう。
タッチマッサージ
- 人差し指~薬指の3本を使い、目の下の骨あたりを目尻に向けて軽く押す
- 親指の腹を使い、目の上にある骨を目頭から目尻にかけて軽く押す
- 目の下にある頬骨に近い部分を抑えながら、目の筋肉を使って上下に動かす
血行をよくするには、まず目の周りの凝り固まった筋肉をほぐすことがポイントです。
目の下は3本指、目の上は親指を使って押すことで、筋肉の緊張やコリをほぐします。
普段の生活では目の周りの筋肉を動かす機会がないので、3番の動きをスキマ時間に行うと、血行不良による青クマが気にならなくなりますよ。
ただし、マッサージは強くやりすぎると茶クマ(色素沈着)やたるみの原因となってしまうこともあるため、優しく行ってください。
グッパーマッサージ
- 目にぎゅっと力を入れて強く閉じ10秒キープ
- 目を大きく広げて10秒キープ
- 目を開いたまま時計回り、反時計回りそれぞれ5回ずつ行う
「グッパーマッサージ」は、朝起きてすぐやデスクワークでの疲れを感じたときに手軽にできるマッサージです。
大きく目を動かすことで、滞った血液が流れやすくなります。
事前に首やデコルテをさすっておくと、目の周りから心臓への巡りがよりスムーズになるのでチャレンジしてみてください。
黒クマの原因は皮膚のたるみ
上を向いて見ると薄くなる黒クマは、年齢とともに皮膚がたるむことが原因です。
たるみで目の下に影ができ、黒く見えてしまいます。
以下に当てはまる場合は、黒クマができやすい方です。
- 目元のハリがなくなってきた
- 肌が疲れているように感じる
- アイクリームを使ったことがない
たるみは年齢を重ねるごとに皮膚のハリや弾力が低下することで起こります。
むくみやすい方は、たるみとむくみのWパンチで濃い黒クマになりやすいので要注意です。
目の周りにある筋肉の眼輪筋が衰え、眼窩脂肪が下がってヘルニアを起こすことも原因のひとつです。
黒クマは眼輪筋トレーニングで解決!
黒クマは眼輪筋が衰えて皮膚がたるむことで表れるので、目の周りの筋肉を鍛えなおすことが大切です。
眼輪筋を鍛えると、目の下の皮膚がたるむのを防ぐストッパーとして機能してくれます。
4ステップでできる眼輪筋トレーニングに挑戦してみましょう。
- 目の周りの皮膚を軽くつまみながら持ち上げる
- 頬骨を下から持ち上げるように手の平で押す
- 目の下のくぼみに人差し指をあてて、揺らすようにほぐす
- たるんだ皮膚・脂肪を元の位置に戻すように人差し指ですくい上げる
目の周りの皮膚は薄いので、引っ張りすぎることのないように注意してください。
目の下のクマを今すぐ隠せる簡単メイク術
クマ隠しに効果的なコンシーラーの色選びをご紹介します。
- 茶クマ:イエロー系
- 青クマ:オレンジ系
- 黒クマ:ベージュやオークル
茶クマはシミのように濁って見えるので、色補正効果がありナチュラルな肌に整えてくれるイエロー系のコンシーラーがおすすめです。
顔色が悪く見える青クマには、血色感をプラスするオレンジ系のコンシーラーがおすすめ。
オレンジは青の補色(反対色)なので、クマによる血色の悪さを打ち消す効果があります。
影で黒っぽく見える黒クマ隠しには、周りの肌色との境目をなくすことができる、ベージュやオークルカラーを選びましょう。
広範囲に広げずに黒クマの部分だけにコンシーラーをぬると、目立ちにくくなりますよ。
目のクマを予防するには日頃のお手入れが大切
3タイプある目のクマは、どれか1つだけ当てはまることは少なく、2タイプ以上が混ざって現れる場合がほとんど。
クマのお手入れをバランスよく毎日続けることで、クマの予防や改善につながりますよ。
クマに効果的な3つのお手入れをご紹介します。
紫外線対策
紫外線にあたると目の周りの炎症を起こし、色素沈着やシミができやすくなります。
普段から紫外線対策のために日焼け止めをぬる習慣を身につけましょう。
紫外線は1年中、部屋のなかにも降り注いでいるので、季節や天気、場所を選ばずに毎日ぬり続けることが大切です。
特に目の周りは雑にぬってしまいがち。
日焼け止めとあわせて、UVカット効果のある下地やファンデーションを重ねるといいですよ。
また紫外線によるダメージの回復を促す、ビタミンCのアイクリームや美容液をぬっておくのもおすすめです。
ビタミンCの美白作用により色素沈着やシミができにくくなり、クマ予防につながります。
温活
血行不良が引き起こす青クマの予防には、温活がおすすめです。
体を温めることで血液循環がよくなり、クマが目立ちにくくなります。
温活は体の外側はもちろん、内側から温めることも大切。
以下のなかから取り組みやすい温活から始めてみましょう。
- 朝食の前に白湯を1杯飲む
- 体が温まる食材を積極的にとる
- 冷房冷えしないよう、カーディガンを持ち歩く
- シャワーで済まさずに湯船に浸かる
- ストレッチやヨガなど適度な運動を続ける
朝食前に白湯を飲んで温めると、血行促進だけではなく臓器の消化吸収がよくなり、代謝アップになります。
冬に旬を迎える食材は体を温める効果があるので、野菜やフルーツを選ぶときは旬をチェックするのがポイント。
納豆やチーズなどの発酵食品は、腸内環境を整えながら体を温める酵素が含まれているため温活食材としておすすめです。
普段シャワーで済ませている方は、湯船に浸かり全体の血液循環を促しましょう。
お風呂の前後にストレッチをしておくと、さらに効果が高まりますよ。
クレンジング
クリームやオイルなど、どのクレンジングを使うにしてもゴシゴシと擦る行為はNGです。
擦る刺激によって落とすのではなく、クレンジング剤の成分を肌に密着させてメイクを浮き上がらせるイメージで落とします。
例えばクレンジングオイルを使うときは、オイルを顔全体に馴染ませた後に水を含ませる「乳化」の工程がポイント。
乳化の段階でメイクが浮き上がるので、擦る必要はありません。
手のひらでポンポンと馴染ませるだけで十分です。
そのほか、クレンジング中のNG行為やまちがった知識をチェックしてください。
- クレンジング剤を少ししか使わない
- クレンジング剤を肌にのせたまま放置する
- 手軽にメイクオフできるクレンジングシートばかり使う
これらに当てはまる場合は、目のクマができやすくなってしまうので、クレンジング方法の見直しをしてくださいね。
生活習慣が変われば、目元も変わる!
目のクマはスキンケアによる外側からのアプローチだけではなく、生活習慣の改善による体内からのアプローチも大切です。
睡眠、食生活、喫煙の3つの生活習慣から、クマ改善につながる方法やコツをご紹介します。
睡眠の質の改善
クマ予防として睡眠が大切な理由は、寝ている間に肌を含めた体の細胞が修復されるからです。
質のいい睡眠をとることで肌が整えられ、クマの改善と予防につながります。
眠り始めの3時間は成長ホルモンの分泌が高まり、食べ物によって与えられた栄養が肌に届けられ細胞が活性化する時間帯。
特に美肌のゴールデンタイムといわれている、午後10時~午前2時の4時間に就寝しておくと、ストレスや疲れを解消しながらの美肌づくりを叶えられます。
睡眠の質を高めるには、以下のことに取り組んでみましょう。
- 明かりを消して寝る
- 夕方以降のコーヒーは避ける
- 寝る直前までパソコンやスマートフォンを触らない
部屋の明かりをつけたまま寝ると、睡眠を安定させるメラトニンの分泌が抑えられてしまいます。
神経を覚醒させる作用のあるカフェインの摂取はNGです。
夜寝る前に何か飲みたいときは、リラックス効果のあるハーブティやノンカフェインの飲み物を選びましょう。
パソコンやスマートフォンから放たれるブルーライトは、質のいい眠りの妨げになります。
どうしても使いたいのであれば、ブルーライトカットのメガネを使ったり、ナイトモードに切り替えたりしてください。
食生活の見直し
食生活の見直しにより内側から肌を整えることで、クマの解消や予防につなげましょう。
積極的に取り入れたい栄養素は、ビタミンAとビタミンCの2つです。
ビタミンAは抗酸化作用によるアンチエイジング効果があり、たるみが原因の黒クマ改善に役立ちます。
ニンジンやほうれん草などの緑黄色野菜やレバー、うなぎなどに多く含まれている脂溶性ビタミンなので、油と一緒にとると吸収率がアップしますよ。
ビタミンCは肌にぬるだけではなく、食べる・飲むことも大切です。
ブロッコリーやピーマンなどの野菜、キウイフルーツやいちごなどの果物には、ビタミンCがたっぷり含まれています。
水溶性ビタミンであり尿として体外に排出されやすいので、毎日欠かさず取り入れることがおすすめです。
禁煙
一見、喫煙とクマは関係がないように思えますが、肌の酸化を促進させるという意味でクマの悪化を招くことがあります。
酸化とは、鉄がさびたりリンゴが変色したりするように、酸素の結びつきによってサビてしまうこと。
喫煙によって生み出される活性酸素は、コラーゲン繊維を攻撃したり健康な細胞を破壊したりする悪影響を及ぼす元です。
喫煙により肌老化が進み、弾力やハリが失われることでシワやたるみの原因に。
喫煙は黒クマを引き起こすことはもちろん、肌老化により茶クマや青クマになりやすいリスクもあります。
喫煙はクマだけではなく、美肌から遠ざかってしまう行動です。
若々しい肌を保ちたい、クマを予防・解消したい方には、禁煙をおすすめします。
まとめ
3タイプ別の目のクマについて、原因や予防・対処法をご紹介しました。
あなたが悩むクマのタイプはどれなのか、何が原因でクマになってしまうのかを知ることで、スキンケアや生活習慣を見直すきっかけになるはずです。
ご紹介した対処法のなかから取り組みやすいことから始めて、毎日続ける習慣化を目指しましょう。
デリケートな目元はやさしく、根気よく向き合うことが大切ですよ。