背中にできるシミやニキビ。
少しでも目立たないようにしたいですし、できた場合は跡が残らないように消したいものです。
特に肌を露出する機会が多い夏は、キレイな素肌で過ごせるよう正しいケアも取り入れていきたいですよね。
今回は、背中にできるシミやニキビの原因、ケアと治療法について詳しく解説します。
これから背中の肌ケアや治療をしようと考えている方、背中のシミやニキビにお悩みの方はぜひ参考にしてくださいね。

- この記事の監修者
- 中島菓(なかじまこのみ)
- 帝京大学医学部卒業後、都内大学病院にて臨床研修を終え、大手美容皮膚科にて美容皮膚科医として約2年勤務。現在は都内美容皮膚科クリニックにて美容皮膚科医続けながらフリーランス医師として、美しくなることで人生を豊かにできる、をモットーに様々な活動をしている。YouTubeでは最新美容医療や韓国コスメを男女問わずもっと身近に感じてもらえるような動画を作っている。美容雑誌VOCEの公式ブロガーVOCEST!としても活躍中。
目次
背中にできるシミは『メラニン』が原因!
背中にできるシミは「メラニン」によって作られたもの。
メラノサイトと呼ばれる表皮細胞で、生成された黒色のメラニンがシミです。
シミの元となるメラニンですが、肌のバリア機能を果たし、外部の刺激から肌を守る重要な役割があります。
その他にも、肌トラブルや「皮膚がん」などの病気から肌を保護します。
言ってみれば、日やけによって皮膚が黒くなるのは、紫外線を浴びた皮膚がメラニンによって一時的に細胞を守る反応といえます。
つまり、何が問題なのかというと、必要以上にメラニンが増加しているということなのです。
メラニンが必要以上に肌に生成される原因はこちらです。
- 紫外線ダメージの蓄積
- ニキビや傷跡による色素沈着
ここでは、メラニンができる原因について紹介します。
紫外線ダメージの蓄積
1つ目の原因は「紫外線ダメージの蓄積」によるもの。
夏場、レジャーや海水浴の際に肌が浴びた強い紫外線はメラニンを多く生成し、体全体にシミを作る原因になります。
強烈な紫外線によってできたシミは「光線性花弁状色素斑」と呼ばれ、直径数ミリから1ミリ程度の大きさで、花びらのようなかたちをしています。
この「光線性花弁状色素斑」は、肌が紫外線から急激な量の刺激を受けたことが原因。
紫外線を浴びて1~3カ月ほど経過してから、肌表面に浮き出てくることが多いです。
また、肌が白い人はメラニンを生成しにくいです。
そのため、紫外線を少量浴びた場合でも、肌は強い刺激を感じてしまいます。
強烈な紫外線を浴びると肌が白い人は、ダメージを多く受けて肌にシミを作りやすいです。
ニキビや傷跡による色素沈着
ニキビや傷跡が消えていない肌は、シミが色素沈着して肌に残っている状態です。
ニキビ以外にも湿疹、虫刺され、火傷により肌が炎症をおこすと、肌が受けたダメージを元に戻そうと細胞が働きかけます。
細胞が働きかけをおこなう際、メラノサイトが刺激され、メラニンが過剰に分泌されてしまいます。
色素沈着を防ぐには、保湿を意識した肌に合ったスキンケアで、ターンオーバーを正常にさせることが大切です。
ニキビやシミのケアのために、肌に合ったお手入れと、正しいスキンケアでターンオーバーを正常に保てるようにしましょう。
【原因別】背中にできる代表的なシミの種類
背中にできるシミには、大きく4つの種類があります。
- 老人性色素斑(紫外線と加齢によるもの)
- 炎症後色素沈着(ニキビや虫刺されが悪化したもの)
- 光線性花弁状色素斑(急激な日焼けによるもの)
- 摩擦黒皮症(タオルなどによる摩擦)
シミの種類ごとに原因や症状、ケア方法は異なるため、シミについて正しく理解し、適切な処置や治療をおこなってくださいね。
ここでは、背中にできるやすい代表的な4つのシミを紹介します。
紫外線と加齢…老人性色素斑
老人性色素斑は年齢とともにできやすくなるシミで、日光を浴びてできるため「光性色素斑」とも呼ばれます。
40代以降の方に多くでき、50代以降の約8割が「老人性色素斑」を作るといわれています。
紫外線を浴びて生成された「メラニン」は、肌のターンオーバーが正常に働くことで外へ排出することが可能です。
しかし、年齢を重ねた肌はターンオーバーが遅く、メラニンが次々に生成される状態。
その結果、肌にメラニンが蓄積し、シミの多い肌になります。
お手入れとして紫外線対策をしっかりおこない、肌に合ったスキンケアや規則正しい生活をすることが大切です。
ターンオーバーを正常にして、肌を健やかに保ちましょう。
紫外線対策で使用する日焼け止めは、肌の隅々までムラなく塗ることがポイントです。
ニキビや虫刺されが悪化…炎症後色素沈着
ニキビや虫刺されの悪化でできるシミは「炎症後色素沈着」と呼ばれ、ニキビや虫刺されの跡が元に戻らないまま色素沈着をしている状態です。
肌の炎症により細胞がダメージを受けると、メラノサイトが刺激されて、過剰なメラニンが排出されます。
過剰に排出されたメラニンは、肌に蓄積され「シミ」として肌に残ってしまいます。
ニキビ等の炎症後色素沈着のケアでは、メラニンの排出を抑え、ターンオーバーを正しく整えることが重要です。
正常なターンオーバーは28日に1回周期といわれます。
4つの点を守ることで、周期を正すことが可能です。
- 生活習慣を正す
- 紫外線対策
- 間違ったスキンケアを正す
- ストレスなど精神的要因を減らす
これらの4つを意識すると、正しいターンオーバーができて、炎症後色素沈着を少しでも防ぐことができます。
急激な日焼け…光線性花弁状色素斑
海水浴などの強い日差しによる日焼けが原因で起こる「光線性花弁状色素斑」は、肩や背中の上部にできるシミです。
強い紫外線を浴びた肌はメラニンが多く排出され、光線性花弁状色素斑として肌に表れます。
黒褐色から茶色の色で、金平糖や小さいはなびらのようなかたちで小さいいくつもの斑点のような見た目です。
ケア方法では、美容皮膚科でのレーザー治療やIPL(光治療)など、専門的な治療をおこなうことが効果的です。
セルフケアとしても紫外線対策をしっかりおこない、肌に合ったスキンケアを取り入れましょう。
タオルなどによる摩擦…摩擦黒皮症
目の粗いタオルや入浴時に使用するナイロン製の赤スリ・スポンジでゴシゴシと体を洗うことで生じる摩擦によってできたシミが摩擦黒皮症です。
強い刺激により肌表面の「身体保護膜」が破壊されると、外部からの刺激を受けやすくなるため、刺激を加えて体を洗うことは控えることが大切です。
慢性的な刺激が1番の原因で、光線性花弁状色素斑と同じように背中から肩の範囲にできやすいです。
肌が褐色や黒褐色に少しずつ変化することでシミになります。
摩擦黒皮症が肌に表れた際は、肌に合った浴槽タオルで、刺激を抑えて優しく洗うことを心がけましょう。
すでにできてしまったシミを消すには?
すでにできてしまったシミでも、正しいケアをおこなうことでシミが目立ちにくくなり、キレイな素肌に近づけます。
毎日のお手入れを丁寧にしている場合でも、シミが肌表面に少しずつ出てきたことはあるのではないでしょうか。
シミがすでにできた場合でも、美白アイテムで集中ケアをするか、美容皮膚科で治療することでシミの跡のある部分もキレイになります。
ここでは、美白アイテムでの集中ケアと美容皮膚科での治療について紹介します。
美白アイテムで集中ケア
美白有効成分を含んだ美白アイテムは、メラニンの生成を抑えシミやそばかすを防ぐ効果があるため、美白アイテムでも効果を高く期待できるアイテムです。
美白有効成分は以下の5つです。
- ビタミンC誘導体
- アルブチン
- トラネキサム酸
- カモムラET
- コウジ酸
これらは美白有効成分の中でも高い効果を期待できます。
化粧品を選ぶ際は、5つの成分表示があるか確認をおこなうことがおすすめです。
例えば、スキンシークレットホワイトニングブーストは、とろみのある美容液で、朝晩のスキンケアで化粧水と混ぜて使用します。
「アルブチン」と「α-アルブチン」をダブル配合し、シミの原因であるメラニンの過剰な生成を抑え、紫外線を寄せ付けない肌へと育てます。
肌にしっかり浸透する「ビタミンC誘導体」や「フラーレン」を豊富に配合し、ダメージを感じづらい肌に導く美容成分を多く配合した美容液です。
美容皮膚科による治療
シミ治療を本格的におこなう場合、美容皮膚科で処方される内服薬の服用やレーザーによる治療は効果が高いです。
シミを消すために有効的な処方薬やレーザー治療はこちらです。
- シナール
- トラネキサム酸
- ユベラ
- ハイチオール
- UVシールド
- ゼオスキン(ZO SKIN)
- 白玉点滴
- フォトフェイシャル
- レーザー治療
シナールやトラネキサム酸は、処方薬でもシミを消す効果が高くなります。
白玉点滴は、グルタチオンを主成分とする美白成分で炎症後の色素沈着や、肝斑などに効果のある点滴。
フォトフェイシャルは、光で肌に照射をおこない、シミ、くすみ、毛穴ケアとして肌トラブルを防ぎます。
レーザー治療は、シミやそばかすの原因となるメラニンに直接作用し、肌の細胞を構築する効果が期待できます。
どの治療を選ぶかは、専門医と相談しながら決めていきましょう。
シミの予防ケアで目指せ、背中美人!
普段のセルフケアでもお手入れをおこなうことで目立ちにくく、背中も正しくケアをおこなうと、キレイに保てますよ。
セルフケアでは、以下の点を意識しましょう。
- 肌の保湿
- 肌の紫外線対策
- 内側からのケア
3つを意識したケアで、肌トラブルのないキレイな素肌を保つことができます。
セルフケアを正しく取り入れ、シミができやすい背中も綺麗な「背中美人」を目指しましょう。
顔だけではなく体もしっかり保湿
シミ対策では、顔だけでなく体全体の保湿をおこなうことが重要です。
乾燥した肌は、肌のバリア機能が正常に作用しないため、外部からの刺激を受けやすい状態に。
バリア機能が低下した肌は、刺激を受けることで普段とり過剰に炎症し、メラニンが多く肌に排出されてしまいます。
また、肌の乾燥はターンオーバーが乱れた状態になりやすいです。
肌の再生機能が働かずに上手にメラニンが外へ排出できないと、蓄積したメラニンにより、シミを作りやすい肌になってしまいます。
このように、乾燥はシミを作る原因です。
顔だけでなく体全体の保湿ケアを心がけましょう。
紫外線対策は1年中万全に
紫外線を浴びずに生活を送ることは難しく、1年を通して紫外線対策は万全にしましょう。
老人性色素斑や光線性花弁状色素斑の原因は紫外線によるもので、普段の生活で多く浴びるUVAは、シミやシワの原因に繋がります。
UVカットアイテムと日焼け止めの使用を忘れずにしましょう。
日焼け止めは、数値が大きいほど効果も高いですが、肌への負担も大きいため普段使いには、SPF30、PA++程度の日焼け止めがおすすめです。
また、日焼け止めと合わせて帽子、サングラス、日傘、アームカバーを使用すると紫外線対策として効果的です。
美白サプリで内側からも万全ケア
セルフケアとして美白サプリを使用して、内側からケアをおこないましょう。
エイジング効果で肌を美白にする栄養素
- ビタミンA
- ビタミンE
- L‐システイン
肌の代謝をサポートする栄養素
- ビタミンC
- ビタミンB2
- トラネキサム酸
栄養素はいくつか併用して使用すると、効果が高まります。
例えばビタミンCと、ビタミンEを同時に摂取することで、エイジング効果があり、L‐システインとビタミンCでコラーゲンを生成するといわれます。
また、美白やシミ対策として欠かせないビタミンCは外へ排出されやすい成分ですので、こまめに摂取することが取り入れる際のポイントです。
まとめ
顔以外にも背中や体など気づかないうちにできるシミですが、正しいセルフケアと美容皮膚科でのお手入れや治療で、キレイな肌になりますよ。
ターンオーバーを整えて、肌に合ったお手入れはシミやニキビの予防だけでなく、本来の美しい肌に近づけます。
紫外線対策や保湿を十分におこなうセルフケアに加えて、美白有効成分の含まれた化粧品やレーザー治療をすると高い効果を実感できます。
今回紹介した、美白やシミのケアをぜひ実践してみてくださいね。