顔のたるみは加齢によって起こると考えられていますが、原因は一つだけではありません。
ここでは、顔のたるみを引き起こす原因について詳しくご紹介します。
たるみが気になる人は原因に合った対策で、改善を目指しましょう。
筋肉の劣化がたるみの原因!エクササイズで鍛えよう
顔の皮膚の下には表情筋と呼ばれる筋肉が30種類以上存在しますが、これらの筋肉が劣化すると、たるみにつながります。
筋肉の劣化がたるみにつながる理由
顔の筋肉は皮膚の下にある脂肪にくっつき、皮膚を支える役割を担っています。
しかし、筋肉が劣化すれば、支えられなくなった皮膚が重力に負けてたるんでしまいます。
筋肉が劣化する原因
筋肉が劣化する原因は主に2つです。
- 加齢
- 個人差はありますが、一般的には40歳を過ぎる頃から筋肉の劣化が始まると考えられています。また、年齢を重ねるにつれて、筋肉を構成する筋繊維の数も減少していきます。したがって、40代以降の人は顔のたるみが目立ちやすいです。
- 筋肉が使われていない
- 表情筋は日常の動作であまり使われません。表情が豊かな人でも、日常生活では約30%の表情筋しか使っていないと考えられています。使われていない筋肉は日々、劣化していきます。そのため、意識的に表情筋を鍛えていない人は顔がたるみやすいです。
一方、日常的にエクササイズをしていると、少しずつ筋肉が発達していきます。
筋肉が発達すれば、皮膚を支える力が強まるため、顔のたるみが目立ちにくくなるのです。
顔の筋肉を鍛えるエクササイズ方法
- 頭を固定したまま、目を左右に3回ずつ回します。
- 唇を前に突き出します。
- 頬と歯茎をくっつけるイメージで、5秒間かけて頬の中を吸います。
- 唇を突き出したまま、頬に空気を溜めて5秒間キープします。
- 一日5回程度行います。
コラーゲンやタンパク質を摂るのも大切
筋肉を鍛えたい時はエクササイズするだけでは不十分です。
どれだけ筋肉に負荷をかけても、筋肉を作る栄養素が不足していると、皮膚を支えるのに十分な筋肉は作られません。
顔のたるみの解消を目的としてエクササイズする場合は、コラーゲンやタンパク質などの筋肉の生成を促す栄養素を摂るように心がけましょう。
肌トラブルもたるみの原因!スキンケアで改善しよう
顔のたるみを解消したい場合は、筋肉を鍛えるだけでは不十分です。
肌トラブルが起こっていると、老化が進んで皮膚がたるみやすいので、スキンケアにも力を入れましょう。
たるみの原因となる肌トラブル
たるみの原因となる肌トラブルについて、主に2つの面から見てみましょう。
ターンオーバーの乱れ
皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織という3つの層で構成されています。これらのうち、表皮で行われているのが肌のターンオーバー(新陳代謝)です。
表皮の奥にある基底層で作られた細胞は角化しながら、肌の表面に向かって押し上げられます。
そして、最終的に角質となり、肌から排出されるのです。
この仕組みをターンオーバーと呼びます。
ターンオーバーが正常に行われている間は元気な細胞が働くため、肌のコンディションは良い状態でしょう。
ところが、紫外線や生活習慣の乱れなどの影響でターンオーバーのリズムが遅れると、古い細胞が肌に残り、細胞の間からは水分が蒸発します。
すると、乾燥が進んで肌は弾力をなくし、たるみが目立ってしまうのです。
また、ターンオーバーが乱れている時は肌の水分が不足して、バリア機能が低下しやすいです。
バリア機能が低下すると、紫外線などの外的刺激を受けやすくなるため、肌トラブルが起こりやすく、たるみも出やすいと考えられています。
活性酸素の増加
紫外線を浴びたり、ストレスが溜まったりした時は、有害物質から体を守るために活性酸素が作られます。
活性酸素は体を守る大切なものですが、細胞を酸化させてしまいます。
酸化は老化の原因です。
酸化によって肌の真皮がダメージを受ければ、ハリや弾力を守るコラーゲンやエラスチンが変性して、たるみが起こります。
また、肌を作る細胞が酸化すると、細胞の機能が低下してターンオーバーのリズムが乱れ、乾燥やたるみにつながります。
スキンケアで肌トラブルを予防しよう
ターンオーバーの乱れや活性酸素の増加を防ぐためには、スキンケアの見直しが必要です。
たるみが気になる場合は、特に、保湿と紫外線対策を見直すことをおすすめします。
保湿
ターンオーバーが乱れている時は肌が乾燥しやすいです。
セラミドなどの肌の水分量を上げる成分が配合された化粧品を使ってスキンケアし、肌の乾燥を予防しましょう。
保湿を徹底して肌状態が改善されれば、徐々にバリア機能が高まってターンオーバーが正常化し、たるみが起こりにくい肌に近づけます。
紫外線対策
紫外線の影響を受けると、肌のターンオーバーが乱れたり、細胞の老化が進んだりします。
たるみが気になる人は紫外線対策を徹底して、肌の状態を整えましょう。
紫外線対策には、日焼け止めや日傘、帽子などの使用がおすすめです。
なお、日焼けは夏のイメージが強いですが、肌は一年中紫外線の影響を受けています。
たるみ対策をしたい場合は、暑くない時期でも、紫外線対策を心がけた方が良いでしょう。
抗酸化物質を摂るのもおすすめ
たるみが気になる場合は、活性酸素の働きを弱める抗酸化物質を摂るのもおすすめです。
ビタミンCやビタミンE、βカロテンなどは抗酸化力が高いため、たるみ対策に役立つでしょう。
- ビタミンCを含む食べ物
- ピーマン、ジャガイモ、キウイ、イチゴ、アセロラなど
- ビタミンEを含む食べ物
- アーモンド、たらこ、キャビア、かぼちゃ、ひまわり油など
- βカロテンを含む食べ物
- ニンジン、かぼちゃ、モロヘイヤ、春菊、ほうれん草など
その生活習慣はたるみの原因!姿勢にも気をつけて
顔のたるみは生活習慣とも関係が深いです。
生活習慣を見直すことで、顔のたるみを解消していきましょう。
猫背
猫背になって顎が前に突き出ると、首の後ろの筋肉が縮み、頭の筋肉も引っ張られます。
一方、首の前にある筋肉は、前に出た顎によって伸ばされてしまうのです。
顔や頭の筋肉はつながっているため、後ろの縮んだ筋肉と前の伸びた筋肉に引っ張られると、頬から下の筋肉は下に向かってたるみます。
デスクワークの人や頬杖をつく習慣がある人、スマホを使いすぎている人は気づかない間に猫背になっていることが多いので、たるみに注意しましょう。
睡眠不足
睡眠中には、傷ついた細胞を再生させる成長ホルモンの分泌量が増加します。
そのため、質の高い睡眠は美肌に欠かせません。
ところが、睡眠不足になると、成長ホルモンの分泌量が減って肌が再生されません。
また、成長ホルモンが減少すれば、ターンオーバーが乱れることもあるため、たるみにつながります。
運動不足
筋肉には血液を運ぶ働きがあるため、運動不足になると血行不良になることが多いです。
血行不良になると、体の隅々まで栄養素や酸素が行き渡らず、新陳代謝が滞ります。
肌の細胞も血液から栄養素や酸素を受け取っているため、運動不足の人はターンオーバーが乱れてたるみが起こりやすいです。
喫煙
タバコに含まれるニコチンは血行不良を引き起こすと考えられています。
よって、喫煙習慣がある人はターンオーバーが乱れて顔がたるみやすいです。
また、タバコを吸うと、ニコチンなどの有害物質が体内に送られます。
すると、有害物質を攻撃するために、多量の活性酸素が作られます。
活性酸素はコラーゲンやエラスチンを変性させたり、細胞の働きを妨げたりするため、喫煙習慣がある人はたるみが起こりやすいのです。
さらに、喫煙の影響で活性酸素が増加すれば、活性酸素から身を守るためにビタミンCが使われます。
喫煙によって発生した活性酸素に対抗するためにビタミンCが使われれば、紫外線などの影響を弱めるために使われるべきビタミンCが不足して、たるみが起こるでしょう。
体をむくませる習慣
顔がむくむと、水分で皮膚が重くなって、たるみが目立ちます。
水分や塩分を摂りすぎたり、アルコールを摂取しすぎたりする習慣がある人や冷え性の人はむくみやすいので、顔のたるみも起こりやすいです。
姿勢を正して規則正しい生活を送るのが大事!
たるみが気になる人はエクササイズで筋肉を鍛えたり、スキンケアで肌トラブルを予防したりするのに加えて、姿勢や生活習慣の改善も行いましょう。
姿勢を正して、たるみを悪化させる生活習慣を見直せば、たるみの予防が期待できます。
まとめ
顔のたるみは筋肉の劣化や肌トラブル、生活習慣などが原因です。
原因に心当たりがある人は、エクササイズやスキンケア、生活習慣の改善などを行い、たるみの解消を目指しましょう。
原因を見直してもたるみが改善されない場合は、美容皮膚科などで治療を受けることを考えていきましょう。